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挨拶

 

岡田

北條泰男先生の後を受け、愛知県小児科医会会長の重責を担うことになりました。至らぬところも多いと存じますが、役員をはじめ会員の皆様のご支援・ご協力をいただきながら、愛知県の小児医療の向上のお役に立つように努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

私たち小児科医の役割は、いうまでもなく良質な小児医療の提供をすることにあります。最新で正しい知識・技能に基づく医療、子どもの利益をいつも念頭におく医療、信頼される医療は時代とともに変わることのない私たちの目標です。愛知県小児科医会はそのお手伝いができればと思っています。

一方で、時代とともに変化している部分もあります。小児科医は診察室に座り、主に体の病気の子どもの診療に専念していればよかった時代ではなくなってきているようです。治療から予防・育児支援へ、体の問題から心の問題へ、診察室から地域へと求められているものがシフトしつつあります。また一般診療においては高度な専門性よりも幅広い総合性が望まれます。もともと小児科のカバーする分野は極めて幅広く、そのため小児科医は分野の垣根の中に閉じこもろうとはせず、日ごろから様々な方面に関心を持つ訓練を受けています。つまり、小児科医こそ最も総合医としてふさわしい役割を担っており、それが小児科医という職業の魅力であり、私たち小児科医の誇りでもあります。

私は愛知県小児科医会の今後の活動について3つの目標を掲げたいと思います。第一は、子どもの総合医たるべき個々の小児科医が、幅広い最新の知識を身に付け、良質の小児医療を提供することができるよう、講演会などを通じてお手伝いをすることです。これは変わることのない小児科医会のもっとも重要な役割だと思います。

第二は、地域活動への積極的な参加です。これまでも愛知県小児科医会は、県や市町村などの行政機関、並びに医師会などと連携して様々な地域活動をしてきました。今後は医会としてだけではなく、個々の小児科医が診察室から外へも足を運び、地域の小児保健活動にも重要な役割を果たして行くよう、後押しをしたいと思います。

第三は、成育基本法の早期成立を目指すことです。いうまでもなく、未来を担うのは子どもたちです。心身とも健やかに子どもたちが育つことができるような環境を整えるのは、大人たちの責務です。私たちは小児科医として医療面では中心的な役割を果たさねばなりませんが、子どもの成育には幅広い社会勢力の結集が必要です。子育ては、親・国・地方自治体・その他の関係者のすべてが協働で取り組むべき社会としての最重要課題の一つです。その理念を具体的に掲げるのが成育基本法です。日本小児科医会の長年の念願である生育基本法の早期成立のために、可能な限り協力したいと思います。

愛知県小児科医会の活動は、役員をはじめ会員の皆様の主体的な参加があって初めて成果を上げることができます。皆様のご協力をお願い申し上げます。
愛知県小児科医会 会長 岡田 純一

愛知県小児科医会会員数

402名(平成23年1月現在)

愛知県小児科医会の主な事業

  1. 例会・講演会の開催(年6回)
  2. 臨床懇談会の開催(年2回)
  3. 会報の発行(年2回)
  4. 会員相互の親睦会(年2回)
  5. その他の事業(子育て中のご家族や保育士、一般市民の方などを対象に)
    1. 子どもの健康を守る会(愛知県小児科医会主催)
    2. 子どもの健康週間(愛知県医師会・各大学小児科と共催)

愛知県小児科医会が取組んでいる大きな課題

  1. 予防接種の広域化及び任意予防接種の公費助成(脚注1)
  2. 小児(初期)救急医療体制の確立;小児救急電話相談(脚注2)
  3. 子ども医療費自己負担分の公費助成における地域格差の解消(脚注3)
  4. ホームペ-ジを利用した子どもの健康に関する啓発、愛知県小児科医会の情報公開
  5. 少子化および子育て支援
  6. 園、学校保健の充実

(脚注1)予防接種の広域化、任意予防接種の公費助成への働きかけ

予防接種の広域化とは、居住する行政区域外でも予防接種を受けられるようにする事です。厚生労働省も日本医師会も、予防接種は接種を受ける子どもさんの体質などを良く知っている「かかりつけ医」で接種を受けることを勧めております。居住する行政区外にかかりつけ医がある場合、現在の制度では、かかりつけ医に接種を受けることができず、居住地域の何処かの医療機関で接種を受けなければなりません。これは『予防接種はかかりつけ医』でという厚生労働省や日本医師会の勧めと異なります。かかりつけ医で安心して予防接種を受けるには、行政単位を越え広域で予防接種を受けることが出来るようにしなければなりません。全国ではすでに半数を超える県が、県内どこでも接種できる広域化を実現しています。愛知県内でも一部の地域では既に広域化が行われていますが、県内ならばどこでも接種を受けることができる予防接種の広域化に向け、地区医師会や行政の理解が得られるよう努力を重ねて参ります。さらに、現在、任意定期接種となっているおたふくかぜワクチンや水痘ワクチンまた新しく認可されたHibワクチン(インフルエンザ菌b型ワクチン)などの公費助成を要望して参りました(H20.年12月に愛知県医師会経由で愛知県への公費負担の要望書を提出、H21年5月に名古屋市河村市長と面談)。皆さんも行政に働きかけるなどご協力を切にお願い致します。

(脚注2)小児初期救急医療の体制確立

解決しなければならない多くの課題がありますが、その中で最も解決が困難で時間を要するものに「小児科医の不足」があります。小児科を希望する若い医師が減少し、その上、小児科医の高齢化が進み、夜間並びに休日の診療が肉体的負担となり、開業小児科医が初期(一次)救急医療の責務を果たす事ができなくなり、初期救急医療を担う小児科医の数が絶対的に不足しております。そのため、二次・三次医療を担う病院の小児科医に過重な負担となっています。「小児科医の増員・確保」という課題を解決しなければ、本当の意味での初期救急体制の確立は不可能であります。既に一部の地域では開業小児科医による365日の初期救急医療体制を作り実施しています。愛知県小児科医会としては、できる地域から無理のない体制づくりができるよう検討し、小児初期救急医療体制の確立に向けこれまで以上の努力を惜しむものではありません。

平成17年4月から小児初期救急の一助として小児救急電話相談が開始されました。急な発熱やけがなどにどう対処するか、愛知県内どこからでも電話で小児科医師のアドバイスが受けられるものです。相談日と時間は診療機関が手薄となる土、日、祝日、年末年始の19:00~23:00です。全国同一の短縮番号#8000番(携帯電話などで短縮番号が使用できない時は、直通電話 052-263-9909)により、まず看護師へ、必要に応じ小児科医へ転送され相談を受けることができます(詳細は愛知県救急医療情報システムのお知らせを参照)。

(脚注3)子ども医療費自己負担分の公費助成における地域格差解消への働きかけ

愛知県小児科医会では以前より乳幼児医療費の自己負担金の公費負担を関係団体の協力を得ながら、愛知県など関係機関へ働きかけてきました。現在では愛知県内ほとんどの市町村で外来、入院ともに義務教育就学前まで公費負担となり、初期の目的は達成いたしました。しかし最近一部市町村では、中学生までの医療費が公費負担となり、小児医療費の地域格差が出てまいりました。私たちは今後こうした地域格差の解消に力を注いでまいる所存です。

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