登園・登校基準

  • 2015年10月2日 12:49 PM

感染症の園児・学童の登園・登校の考え方

平成24年4月2日付けで文部科学省より「学校保健安全法施行規則の一部を改正する省令(平成24年文部科学省令第11号)」が施行されました。この中で、感染症の予防方法について、髄膜炎菌性髄膜炎を、学校において予防すべき感染症のうち第2種感染症(飛沫感染するもので学校において流行を広げる可能性が高い感染症)に追加し、その出席停止の期間の基準を「病状により学校医等において感染のおそれがないと認めるまで」とするとともに、インフルエンザ等の出席停止の期間の基準を次のとおり改められました。

  • インフルエンザ:発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで
  • 百日咳:特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗生物質製剤による治療が終了するまで
  • 流行性耳下腺炎:耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで

愛知県小児科医会としては、「学校保健法における学校伝染病の登校基準(文部科学省作成)」と今回の改正点を参考にして、指導の違いによる混乱を避けたいと思っています。ご賛同頂けるようでしたら、それぞれの園や学校にも、この基準をお示し下さい。

以下に、代表的な病気を選び、登校基準の部分のみを抜粋して、転記してあります。


インフルエンザ

出席停止基準 :発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては、3日)を経過するまで。 ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

百日咳

出席停止基準 :特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗生物質製剤による治療が終了するまで。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

麻疹

出席停止基準 :発疹に伴う発熱が解熱した後3日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。なお、合併症の中で最も警戒すべき脳炎は、解熱した後再び高熱をもって発病することがある。

風疹

出席停止基準 :紅斑性の発疹が消失するまで出席停止とする。なお、まれに色素沈着することがあるが出席停止と必要はない。

流行性耳下腺炎 (おたふくかぜ)

出席停止基準 :耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

水痘 (みずぼうそう)

出席停止基準 :すべての発疹が痂皮化するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

咽頭結膜熱 (プール熱)

出席停止基準 :主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とする。ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められたときは、この限りではない。

髄膜炎菌性髄膜炎

出席停止基準 :病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで。

手足口病

登校基準 :急性期から回復後も糞便から2~4週間にわたってウイルスが排泄されることがあるが、集団内での他人への主たる感染経路は、咽頭でのウイルスの増殖期間中の飛沫感染であり、発熱や咽頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は感染源となる。糞便のみからウイルスが排泄されている程度の場合は、感染力は強くないと判断されるので、全身症状の安定した者については、一般的な予防方法の励行などを行えば登校は可能である。なお、感染しても症状が出ない不顕性感染の子も居ます。

ヘルパンギーナ

登校基準 :手足口病に準じる

伝染性紅斑 (りんご病)

登校基準 :発疹期には感染力はほとんど消失していると考えられるので、発疹のみで全身状態のよい者は登校可能と考えられる。ただし急性期には症状の変化に注意しておく必要がある。

溶連菌感染症

登校基準 :適切な抗生剤治療が行われていれば、ほとんどの場合24時間以内に他人への伝染を防げる程度に病原菌を抑制できるので、抗生剤治療開始後24時間を経て全身状態がよければ、登校は可能である。

伝染性膿痂疹 (とびひ)

予防方法及び学校における対応 :皮膚の清潔を保つことが大切である。集団の場では病巣を有効な方法で覆う、プールや入浴は罹患者と共にしないなどの注意も必要となる。炎症症状の強いもの、広範なものについては、直接接触を避けるよう指導が必要である。

伝染性軟疣(属)腫 (水いぼ)

予防方法及び学校における対応 :多数の発疹のある者については、水泳プールでビート板や浮き輪の共用をしない。

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