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挨拶

会長就任にあたって

愛知県小児科医会 会長 津村治男

このたび岡田純一先生の後を受けて2020年(令和2年)5月30日付で愛知県小児科医会の会長に就任致しました。いたらぬ点も多々あると思いますが、幸いにも誠実で頼りになる副会長、役員の先生方に恵まれております。先生方のご支援ご指導のもとに精一杯会務を遂行して
いく所存ですのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

当小児科医会は2019年(令和元年)10月25日に設立60周年を迎えました。大変歴史のある県内で小児医療に関わる医師の組織です。会員数は2020年(令和2年)3月末の時点で395名になります。これまで多くの先輩方の努力により様々な活動が継続され、最新の知識、幅広い知識の習得と良質な医療を提供するための学術講演会(例会)は300回を数えます。社会情勢・社会制度の変化で小児を取り巻く環境も大きく変化してきております。これからも私たちは小児科医に対する社会のニーズに答えるための活動を続けなくてはなりません。

2018年(平成30年)に改正された愛知県小児科医会の会則第3条には「本会は、愛知県における小児の保健・医療の充実を図るとともに、会員相互の交流及び連携を促進し、もって小児の健康及び健全な成育に寄与することを目的とする」と記載されております。

私たちは正にこの目的に向けて実践していくことになります。また、日本小児科医会が中心となって長いこと成立を目指していた「成育基本法」が2018年(平成30年)12月13日に公布され、2019年(令和元年)12月1日から施行されております。「成育基本法」とは略称であって正式名称は『成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律』です。この法律に基づいた成育医療等協議会が今年1月に設置されました。そこではこれからの様々な施策、すなわち医療、保健、福祉、教育にかかわる施策が検討されます。その実施に当たっては私たち小児科医の役割が大変重要となってきます。行政との密接な連携の必要性は今以上に高まるものと推察されます。それに際しては会員の先生方の協力が是非とも必要となりますのでよろしくお願い致します。

さて、いま世界は思いもよらなかった新型コロナウイルスのパンデミック状態にあり、世界中で多数の感染者が報告されています。日本でも感染者の急増がみられた今年4月の時点で多くの自治体で緊急事態宣言がなされました。愛知県では3月中旬から幼稚園、学校は休園、休校となり入学式、始業式がかろうじてできたかどうかで、その後も休園、休校が続きました。社会活動、学会活動等も大幅に停滞してしまいましたが、幸い新型コロナウイルスの小児の感染者は、今のところは多くなく重症度も低いとされています。しかし、外出の自粛要請の下、この異常な環境の中での暮らしを強いられ、長期間にわたって遊びや運動も制限されている子どもたちの心身へのストレスが今後どのような形で現れてくるか心配されます。

当医会の活動として今後さらに取り組まなくてはいけない課題としましては、災害時における小児救急医療、また、災害時の対応を含めた小児在宅医療、学校保健ならびに思春期医療、虐待問題等が挙げられますが、この新型コロナウイルス禍の影響はこれらにも大きく関わってきます。

私としましても微力ではありますが小児の健康と成育に関わる環境の改善ならびに会員の先生方の活動に少しでも寄与できるように頑張りたいと思っておりますので、皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。

最後に、この新型コロナウイルス感染の流行が一刻も早く終息し、世界中の人々が通常の生活に戻れる日が来ることを切に願っております。

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