排尿のしつけ

  • 2015年10月2日 12:49 PM

排尿のしつけについて

「おむつをはずす 」のは何歳からどのようにしていったら良いかということは、お母様方には大きな関心事だと思います。少しでも早くにおむつをはずせたらと考えるのが当然ですが、お子さまの排尿に関わる発達には個人差があります。自分の子どもの発達状況を見極めた上で、昼間にトイレで排尿できるようになることを目標に開始してみましょう。

排尿に関する発達をまとめてみましょう

  • 1歳未満では、膀胱に尿が溜まると膀胱が反射的に収縮しておしっこがでます。赤ちゃんは排尿しているという感覚はなく、非常に頻回に出していることが多いです。
  • 1歳6か月ころには膀胱の容量が増え、排尿回数が減ってきます。赤ちゃんはおしっこの感覚が少しわかるようになります。
  • 2歳代になると、膀胱に溜められる量が多くなり、昼間の排尿間隔が2~3時間と長くなります。
  • 3歳代にはおしっこをしたいと感じるようになり、トイレに行くまで我慢することもできるようになります。
  • 4歳代では昼間のおしっこはトイレでできますが、夜のおしっこはまだ続き、睡眠リズムの発達とともに減少してきます。

排尿のしつけの実際

  • 第一段階 :上手に歩け、言葉や動作で自分の意思をお母様に伝えることができるようになったら、排尿間隔を観察してみましょう。1時間以内に排尿しているようなら、しつけの開始はもう暫く待ちましょう。
  • 第二段階 :おしっこの間隔が2時間位あいた時があれば、遊びの節目にトイレやオマルに誘ってみましょう。この段階ではすぐに排尿できることは少ないですが、何回も試してみましょう。そのうちには、膀胱に尿が一杯溜まっていて、タイミングよく排尿するときもあるでしょう。  排尿できた時には、その尿をみせながら 「おしっこでたね」と声をかけてあげることが大切です。それによって、子どもは尿がでた時の気持ちよい感覚と、尿を自分の目で直接見た経験と、母親から 「おしっこでたね」と褒められた体験を味わいます。この体験は排尿のしつけにはとても大切なものです。
  • 第三段階 :2時間以上の間隔でトイレやオマルへ誘ってみて、半分以上は上手に排尿できたなら、日中のおむつをはずしてパンツにしてみても良いでしょう。でも、失敗しても叱らないことが大切で、お母様の気持ちにゆとりがある時を選びましょう。
  • 第四段階 :子どもが自分から 「おしっこしたい 」と言えるようになってきますが、なかなか自分からの予告ができない時は、トイレへ誘うのをぎりぎりまで待ってみるか、 「おしっこ出る時教えてね 」などの声かけをしてみましょう。失敗しても叱らないことが大切で、あせらず見守る姿勢で、しつけの仕上げを待ちましょう。

おわりに

 愛知県西部での3歳児健診時に実施した 「排泄のしつけ状況」に関する調査によりますと、3歳児健診受診児(男 251人 女 228人)の63%の人が2歳すぎてからしつけを開始したとのことで、さらに2歳半以降にしつけを開始した群では、遅く始めた程しつけ完了期間が1~2か月と短い傾向にあったとのことです。

 排尿のしつけは、子どものからだの機能が十分に整ってから開始すると、短期間に順調に自立していくことが示されており、2歳ころにしつけを開始するのが、子どもにも母親にも負担が少ないようです。 

参考文献 :二木武 他 新版 「小児の発達栄養行動 」ー摂食から排泄までー                                       医歯薬出版  1998

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