- 2015年10月2日 12:49 PM
子どもが病気になった時、緊急を要するかどうかを冷静に判断することが大切です.あなたの子どもの様子がいつもと変わりなければ、急に発熱したり、吐いたり、下痢をしたり、咳がでたりしてもあわてる必要はありません。時間外に救急病院を受診するよりも、家庭でゆっくりと看病をして、診療時間内にかかりつけ小児科医を受診することを勧めます.適切な診断と治療が受けられます。
子どもの主な症状と早めの受診が必要な時
1.発熱
発熱は体の生体防御反応
ウイルスや細菌などに感染すると、体は熱を上げて感染症とたたかいます.熱が高くてもすぐに重い病気ではありません.子どもの様子がいつもと変わりなければ、時間外に受診をする必要も、すぐに解熱剤を使う必要もありません。発熱そのものを心配するより、なぜ熱が続くのかを診断することの方が大切です.発熱が続くときは、時間内にかかりつけ小児科を受診しましょう.
早めの受診が必要な時
- 3ヶ月未満の乳児
- ぐったりとして体を動かさない
- 呼吸が苦しい
- 半日以上おしっこが出ていない
- 水分が取れない.
2.咳
咳は呼吸を助ける体の反応
気管や肺に痰などがつまると、呼吸を楽にするために咳が出ます.呼吸困難を伴わない咳や、睡眠のさまたげにならない咳はすぐに止める必要はありません.咳が長引く場合は、原因を見つけるための診察が必要です.時間内にかかりつけ小児科を受診しましょう.
早めの受診が必要な時
- 顔色が青白くて、唇や指先が紫色をしているとき
- 呼吸が苦しい時
- ぜーぜーと音がして眠れない時
- 声がかすれて出ない時
3.嘔吐
子どもはいろんな理由で吐きます
乳児では上手にゲップが出ない時、幼児では食べ過ぎ・咳込んだ時・泣いた時などに吐くことがよくあります。吐いた後に食事や水分がいつも通りに取れるときは心配はありません.繰り返し吐く時にはかかりつけ小児科を受診しましょう.
早めの受診が必要な時
- 顔色が青白くて、指先が紫色をしている
- 水分が飲めなくてぐったりとしている
- おしっこが半日以上出ていない
- おなかを強く痛がる
- 頭を強く痛がる
- 眠ってばかりいる
- 吐いた物に赤いものや緑色のものが混ざっている
- 激しい下痢を伴っている
4.下痢
下痢は腸内の病原体を外に出すための体の反応
ウイルスや細菌が胃や腸に感染すると、それらの病原体を体の外に出すために下痢が起こります.子どもの様子がいつもと変わりなければ、すぐに受診したり、下痢止めを飲んだりする必要はありません。下痢が長引く時にはかかりつけ小児科を受診して、下痢の原因を調べてもらいましょう.
早めの受診が必要な時
- 血便が出る
- ぐったりしている
- 顔色が青白くて、指先が紫色をしている
- 水分が飲めなくてぐったりとしている
- おしっこが半日以上出ていない
- 強くおなかを痛がる
- 嘔吐も繰り返している
5.けいれん
けいれんを起こした場合は早めの受診が必要です.
けいれんを起こしたときは慌てないことが大切です.子どもでよく見られる熱性けいれんは長くても5分以内に止まります.落ち着いて子どもの様子を観察することが大切です.
救急車を呼ぶ必要がある時
- けいれんが5分以上止まらない
- くり返しけいれんを起こす
- けいれんが止まった後も意識がぼんやりしている
- 唇が紫色で、呼吸が浅い
- 生後6ヶ月未満の乳児
6.発疹
発疹には水痘やとびひのようにウイルスや細菌感染に伴う発疹と、アレルギー反応の結果として出るじんましんなどがあります.感染症による発疹は時間内にかかりつけ小児科を受診しましょう。いつも子どもを診ている小児科医のほうが正確な診断がつきます。じんましんは皮膚のかゆみだけが主な症状のときは、急いで受診する必要はありません。
じんましんでも救急車が必要な時
- 呼吸困難がある
- 顔色が青白く、唇や指先が紫色
- 意識がもうろうとしている